その背景に、日本型雇用の変化があると言われています。
かつては、正社員として入社し、定年まで会社で働けば、豊かになる、というイメージが共有されていました。
しかし、現在では、雇用環境は激変し、正規雇用の口は少なくなり、また、仮に正社員になれたとしても出世の階段の意味が全く変わってしまいました。
かつては、出世して中間管理職になれば、ある程度部下に仕事を任せる「マネージャー」業務が主でしたが、今は、「プレーイング・マネージャー」の役割に変わったというのです。
そのために、正社員になれなかった若者は言うまでもなく、正社員になれた若者も出世は忙しさや辛さに直結するものと見るようになったと言います。
その結果、これまで幸せだというコースは敬遠されけるようになったというのです。
これだけでは単なる「プア」でしかありませんが、現代では、プアでもそこそこ充実した生活が送れるようになったと言います。
20年もデフレが続き、安くても質の良い商品が市場に出回ったのまで、「プア」でも充実した生活が送れるようになったというのです。
これを島田裕巳氏は「プア充」と呼んでいるのです。
島田裕巳著『プア充-子上収入は、要らない-』は紙の本はもちろんのこと、Amazonでは、電子書籍としても販売されています。
『プア充~』を読んだ感想ですが、
この『プア充~』は、IT企業の営業として頑張る30歳独身男性が、忙しい中、たまたま参加した飲み会での恩師から「プア充」についての話を聞き、そんなところに、上司の突然の入院や仕事での大失敗を通じて、自分の将来や働き方について見つめ直すというのが、簡単なあらすじですが、人それぞれの生き方があっていいと思います。
「プア充」でもいいという人は、それで構いませんし、「私は頑張る」という人がいても何ら構わないと思います。
人生に正解はありません。生き方は、自分が決めることです。
その選択の結果で「プア充」でよければ、それはそれで別に何の問題もありません。
島田裕巳氏が提唱する「プア充」という生き方が今、注目されています。